さて、お得意様各位にはすでにFAXにてご案内いたしましたが、この度弊社においていぶし瓦の「火入れ式」を導入することとなりました。



エンドユーザー及び設計事務所・工務店等元受業者様に対する一つの提案としての試みです。時代の流れにより、当然設備の近代化こそ図られはしましたが、大自然の恵みである土をいただき、それを焼き、その土の包容力をもって長年に亘り暮らしを守っていただく・・・そんな瓦としての本質はいついつまでも変わらぬ普遍性を保っています。コスト重視、屋根軽視、景観の破壊、文化の衰退・・・等、昔ながらの日本建築を蔑ろにしてきたがゆえの弊害は、さまざまな場面にて如実に現れつつあります。


淡路島の大地、島音坐に塩を・・・

そんな中、もう一度そのエモーショナル・マテリアル(情緒的素材)たる和瓦の存在意義を再認識していただくため、一生にそう何度もない家を建てる(屋根を葺き替える)という機会に際し、実際に清めの塩と酒等を用意し火入れに立ち会っていただき、その恵みである土に火を入れるという神聖なる儀式に近いものを体験していただくことを計画しています。



土に生まれ、土に生き、土に育まれ、土に還る・・・。
大自然の恵み、土を頂くことのありがた味・・・。瓦を纏うことは、そのまま土を纏うことなり。母なる大地に包まれる喜びを知る。
ものは巡る、ただその本質を変えることなく。炎の力をもってその土の表情を変えようとも・・・。すなわちこれ普遍の理を知ることなり。
」 〜瓦人〜



ご参加いただいた施主様には、粉末状にした瓦を水で溶いて、「家内安全」「感謝」「恵」・・・等想いある言葉を筆で書いていただき、窯に入れて一緒に火を入れます。





最後に手を合わせて火入れの儀とします。



高い安いだの、重い軽いだの、そんな薄っぺらい次元で捉えられる瓦業界の現状・・・作り手も葺き手も共に職人であるという自負と誇りを取り戻し、施主様に感動を与えるような瓦(屋根)作りに邁進できるような土壌を、製工一丸となって取り戻していくための助力にでもなればと考えます。淡路瓦400年の系譜・・・人に喜んでもらえればこそ続くこれからのさらなる100年です。

瓦とは・・・そんなありがたい素材だと信じてやまない瓦人です。